
不貞は1回でもアウト
不倫(不貞行為)という裏切りに直面したとき、被害者が抱える精神的苦痛は計り知れません。多くの方が「慰謝料を請求したいが、証拠は何回分必要なのか?」「1回だけでも請求できるのか?」という疑問にぶつかります。
ここでは、不貞行為の証拠の回数が慰謝料請求の可否や金額にどのように影響するのかを、法的な観点から詳細に解説します。これから証拠集めをされる方、慰謝料請求を検討されている方はぜひ参考にしてください!
不貞行為の回数に定めはない:1回でも請求は可能
不貞行為の法的定義
民法第770条や第709条が定める「不貞行為」とは、配偶者のある者が、配偶者以外の者と自由な意思に基づいて肉体関係(性的関係)を持つことを指します。
この定義には、「何回以上でなければならない」という回数の規定は一切ありません。
1回分の証拠で請求が可能な理由
重要なのは肉体関係という不貞行為の事実が立証できるかどうかです。
一度でも肉体関係を持てば、それは婚姻共同生活の平和を維持するという義務に違反したことになり、不法行為(民法709条)が成立します。したがって、不貞行為の事実を示す明確な証拠が1回分でもあれば、慰謝料請求を行うことは可能です。
※ポイント
請求自体は可能ですが、この「回数」が請求できる金額には大きく影響します。
回数が慰謝料の「増額要素」となる理由
慰謝料の金額は、被害者が受けた精神的苦痛の程度によって決められます。そして、不貞行為の回数が多ければ多いほど精神的苦痛は大きいと評価され、慰謝料は増額されやすくなります。
1、不貞行為の悪質性の証明
- 単発 vs 継続:不貞行為がたった1回きりの出来事であった場合、裁判所は「一時的な過ち」と捉える傾向があり、慰謝料が相場より低くなる可能性があります。
- 常習性の認定:一方、週に何度も会っていた、数カ月や数年にわたって関係が続いていたといった複数回・長期間の関係を示す証拠があれば、それは「悪質で計画的、かつ常習的な裏切り行為」と認定されやすくなります。
2、婚姻関係に与える影響の大きさ
回数が多く、期間が長くなるほど、夫婦関係が修復不可能なほどに破綻した原因として不貞行為が強く作用したと判断されます。裁判所は、不貞行為が夫婦関係を破壊した程度(破綻度)を重視するため、継続的な不貞行為は金額を大幅に引き上げる要素となります。
| 不貞行為の継続性 | 精神的苦痛の評価 | 慰謝料の傾向 |
| 単発・短期(1回~数回) | 低め。偶発的なものと見なされる可能性。 | 相場の下限、またはそれ以下になることも。 |
| 頻繁・長期(数カ月~数年) | 極めて大きい。悪質性、常習性が認定される。 | 相場の上限、または高額な増額が期待できる。 |
【回数よりも重要】慰謝料請求で必須となる「証拠の質」
回数が多ければ有利ですが、100回の証拠よりも、1回であっても「肉体関係を明確に示す証拠」のほうがはるかに価値があります。証拠収集で最も注力すべきは「質」です。
証拠の質を確保するポイント
- 肉体関係の特定
- ラブホテルへの出入りの写真や動画など、「密室で二人きりになった事実」と「肉体関係があったであろう時間帯」が特定できることが必須です。
- 注意: デート中の写真や親密なLINEだけでは、「不貞行為」の証拠として弱い場合があります。
- 当事者の特定と日時
- 証拠の日時が特定できること、そして不貞相手と配偶者の両方が明確に写っている(または特定できる)ことが不可欠です。
- 自認を示す文書・音声
- 不貞行為をした当事者が、「いつ、どこで、誰と肉体関係を持った」という事実を具体的に認めた音声録音や**自筆の念書(誓約書)**は、回数に関係なく最も強力な証拠となります。
証拠集めの落とし穴:違法行為に注意
「質の高い証拠を複数回分」集めようと焦るあまり、違法な手段で証拠を集めてしまうと、せっかくの証拠が裁判で却下されたり、逆にあなたが訴えられたりするリスクがあります。盗聴器の設置、GPSの無断設置、住居侵入にあたる行為は絶対に避けてください。
理想は「質の高い証拠を複数回」
不貞行為の慰謝料請求において、1回分の証拠でも請求は可能です。しかし、請求できる金額を最大化し、交渉を有利に進めるためには、肉体関係を明確に示す質の高い証拠を、できる限り複数回分集めることが理想です。
証拠収集に不安がある、または集めた証拠が法的に有効か知りたい場合は、必ず早期に弁護士などの専門家にご相談ください。プロのサポートを受けることが、正当な権利を守るための最も確実な一歩となります。

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