どんな仕事でも、楽な作業や嫌なことは必ずしもあると思う。探偵は特殊な仕事と言っても、サラリーマンと同じで(調査員は変わってる人が多いが…)良いところ悪いところがある。
これから探偵を目指す人に、テレビや映画の世界ではないリアルな探偵の嫌な部分を、今までを振り返りながら書き出したいと思う、ぜひ参考に。
1、終業時間は72時間後
その日は都内某所で早朝から浮気調査を開始した、それが悪夢の開始でもあった。
当初の情報では、対象者に泊まりがないので遅くても夕食時には終わるだろうと軽く思っていた。
案の定対象者が動き出すと隣の県の某駅で浮気相手と接触しラブホテルへ入った、よくあるパターンである。
あとはホテルから出てくるところの証拠撮影と、浮気相手と別れれば相手の自宅を判明さすだけである。
※ 相手宅判明はのちの慰謝料請求のため
ホテルの休憩時間が終わるころ、絵に描いたように、イチャイチャと二人は出てきて(証拠撮影はバッチリ)、事が終わってお腹が減ったのか近くの蕎麦屋に入った。
二人は食べ終えるとその場で別れた、調査員は尾行を対象者から浮気相手へとシフトした。さぁ浮気調査の終盤である。
浮気相手は長距離ドライバー?
相手は数駅移動すると下車し、某方面へと歩きだした。もうそろそろ家が近いのかなと緊張しながら距離を詰めながら尾行していると、某道の駅に入った。
相手は、そのまま他府県ナンバー(某近畿地方の)が付いた大型トラックに乗ると、運転席の後ろのスペースに移動しカーテンを閉めた。
私の頭の中は??だったが、すぐさま車両班と合流し、いつでもトラックを尾行出来る状態で近くで待機した。
それがトラックは動かないまま夜が明け、次の日の昼ころにやっと動きだした。この時点で24時間を超えていてフラフラだったが、尾行を開始した。
…結果は近くで荷物の搬入をしたのちに、また道の駅に戻ってしまった。結局その日はそのまま動かず翌日へとクライマックスを持ち越すことになった。
翌日(調査開始から48時間経過)も昼頃に動きだし、荷物の搬入を行っていたのだか、夕方頃に動きだし、東名高速道路に乗ると西へと向かい始めた。
ナンバーを見て嫌な予感はしていたとはいえ、ショックだったのを今でも覚えている。
その後はゆっくりと時間をかけてパーキングで休憩しながら、翌日の朝には近畿某県にたどり着き、トラックを停めて自家用車で無事に帰宅してくれたのは調査開始から72時間後のことだった。
帰りたい時に帰れないのが探偵
こんなパターンが頻繁にあったらとっくに辞めていたかも知れないが、ごく稀である。探偵は自分の誕生日だったり、家族や友人と約束している日はなぜか早く帰れないことが多いように思う。
終業時間は、全ては対象者の動き次第になってくるのが探偵調査員であるので、これから探偵をする方は覚悟しておいた方がいい。
2、近隣の人よあやしまないでくれ
探偵の基本は「張り込み」である。張り込みも対象者に気づかれてはいけないのは当然だが、近隣住民や関係者にもあやしまれたり、気づかれてはいけない。
ただ探偵だからといって透明人間になれる訳ではないので、張り込み時間が長くなるとどんなけ調査員が変わっても(変わることで逆にあやしまれることもある)近隣に不審がられ通報されることも少なくない。
中には異常にあやしむ近隣住民(仕方ないが…)がいることがある、露骨にじぃーっと見てきたり、カーテンの隙間から何度もこっそり見てきたり、ナンバーをひかえていったり、写真を撮ったりと、やりたい放題である。
あやしい目で見られながらのこういう場所での張り込みはつくづく嫌になる。
あっまだまだ書き足りないが、少し長くなったのでまた日を改めて書きたいと思う(随時更新)
それでは、また。