探偵の尾行調査は、張り込み・尾行・証拠撮りといった流れでやっている。最後の証拠撮り(最後ではないこともあるが)が、一番重要であり、ご依頼人もそこが一番欲しい場面ではないだろうか。
証拠撮りと聞くと、ラブホから出てくる男女(俗にいう浮気)が思い浮かぶ方が大半だと思うが、実際は浮気だけではなく、社員の不正や結婚詐欺の現場だったり、近隣からの嫌がらせだったりと、いろいろな証拠撮りがある。
簡単にはいかない
依頼者が求めている証拠写真は、記念写真のような写真(こんなふうに撮れたら最高)だと思うが、対象者に立ってもらって「はい、チーズ」とはいかないので、イメージとしては、隠し撮りのような写真になることが多い。
探偵としても、記念写真のような写真が撮れれば、すごく気持ち良いのだが…。
どうしても撮れない場所もある
証拠撮りの中には、どーしても撮れないというか、大小関係なくどんなカメラも仕掛けられないところがある。
たとえば、住宅街の中だけでも張り込み場所がないことがあり撮りづらいのだか、その中でも行き止まりの場所に浮気相手の自宅があり、そこに出入りする対象者を撮らなければなあないことがある。
はっきりと、こういった所は、そこに知らない顔の人間がいるだけでも、即通報されるのは間違いないし、とうぜん張り込みやカメラを設置する場所は皆無であり、証拠撮りは無理に近い。
カメラの設置は他人の敷地内にはできないので、最悪調査員が前に立ちながら隠しカメラで撮るしかないのだか、それも無理なところは別の方法を考えなければならない。
証拠撮りの前後
どうしても撮れない場合は、浮気調査の場合なら、浮気相手宅に入る前後でしっかりとツーショットなどを撮影しておき、出入りに関しては、その瞬間は無理として、入る直前と出た直前をしっかり撮る感じになる。
証拠撮り
カメラの設置場所以外にも、撮影場所によって使うカメラが変わってくる、それに時間帯によってカメラの設定も異なってくるから、それらを周りにあやしまれずに瞬時にしなければならないから大変である。
朝方や夕刻時は、太陽の出入りから明るさも変わってくるので、設定を間違えれば、対象者がまっくらで何も写ってないときになってしまう。
また撮影時間が長くなれば、カメラのバッテリーの問題も出てくる。バッテリーに関しては複数持っているので交換するのだか、それが数時間ごとだから大変である。
また気をつけたいのが、対象者とカメラの間に障害物(車など)が入った場合である。対象者は障害物で遮られてしまうと、撮影できなくなる。
ラブホなどは、朝方にタオルの交換のトラックがやってくることが多いのだがら、いつも頭を悩ませている。
どう撮ってやろうか
ただ単に証拠撮りといっても色々なことをやらなければならないし、想定もしておかなければならない。
証拠撮りはほんの数秒、その数秒をいつ出てもいいように神経を尖らせながら何時間も何時間も探偵は待っている。
でも、その数秒で依頼者が救われるなら、この先も何時間も待つことは苦にはならないだろう。
それでは、また。