浮気の証拠となる場面は一瞬であり、その一瞬を逃すと調査が台無しになることがある。
その一瞬を撮るために、下調べをしたり何時間も尾行したりしながら、証拠となる瞬間をじっと探偵は待つ。
さまざまな形
証拠となる瞬間はさまざまな形でやってくる。例えば浮気の証拠となるラブホなどは、すんなり入ったところから2人がそろって出てくれば良いが、なかなかそうもいかない。
ラブホによっては、出入口が1箇所ではなく、何箇所もあるところがある。横浜某所にあるラブホなんかは5箇所も出入口があるから、もうどこから出てくるかも想像がつかない。
出入口が多いのも大変だが、もっと大変なのがその出入口から出てくるところを撮影する場所がないところである。
ラブホの中には住宅街にぽつんとあったりするところがあり、透明人間にでもならない限り、近隣住民にあやしまれて通報されたりし、証拠が撮れないという事態になりかねない。
だから、証拠撮りの時は対象者にだけでなく、周りにも気を使いながら警戒されずに、その一瞬を押さえなければならない。
撮影機材
証拠を撮るには撮影機材が必要であり、その機材も撮影距離や明るさ、アングルなどを考えながらその場所にあった撮影機材を周りから見ても分からないように設置していかなければならない。機材版の適材適所である。
また、設置したからといって安心できず、カメラと狙っている出入口の間を人や車が横切ったりすることもあるというか、なぜか対象者が出てくるタイミングで車が通ったりすることが多い。
そうなると証拠は撮れずに、車だけが写っていたということになる。これで証拠は撮れずに調査は台無しである。
でも長年やっている探偵は、そういったことを想定できるから、自然と1箇所の出入口を狙うだけでも、複数台のカメラを設置したりする。
私なんかは、アップや引き気味のアングル、出入口だけでなく車などに乗り込むところなど、狙えるところは全て狙い、また何台もカメラを設置したりもすることがある。(ただの心配性なだけだか)
大切な一瞬のために
その一瞬で依頼者の今後の生活が大きく変わることもあり、そもそもその一瞬が欲しくて探偵に調査費をかけて依頼する訳だから、私たち探偵はその願いを最大限の力で答えなければならないと思う。
そのためなら、たとえ周りにあやしまれようが、居づらかろうが、じっと我慢してその一瞬を待つ。
今宵もどこかの街で完全包囲で証拠撮り。
それでは、また。